ターンテーブルとミキサー


Fig. 2‑1

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Fig. 2‑1は二台のターンテーブルとミキサーの画像です。中央にミキサーが置かれ、その両脇にはターンテーブルが配置されています。

ターンテーブル

ターンテーブルの役割は2つあります。

  1. 再生装置 レコードを読み取って、その信号をミキサーに送る。
  2. 再生のコントロール 再生・停止、再生速度を調整する。

まず再生装置の役割を説明します。ターンテーブルの上に、レコードを載せ、針を落とします。その状態で、レコードを手で回してみると、音が出ます。レコードの溝を針が読み取って電気信号に変換しているのです。

次に再生のコントロールの機能について説明します。

Fig. 2‑2

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Fig. 2‑2下のstart-stopというボタンを押すと、レコードが回転します。再度押すと、レコードの回転が停止します。(なお回転は時計回りに、通常の再生時はなります。) レコードに針を置いただけでは、レコードが回転していないので、音が出ません。針を置き、さらにレコードを回転させるために、start-stopボタンを押します。こうしてはじめて、音が出ます。(もちろん、手動でレコードを回しても音は出ます。)

Fig. 2‑3

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S2では上記の位置に再生・停止ボタンがあります。

Fig. 2‑4

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ソフトウェア上では、上記の位置にあります。

Fig. 2‑5

Fig. 2‑5はピッチ・コントローラーで、レコードの「回転速度」を調節します。回転速度を上げると、結果としてBPM、つまり曲のテンポが早くなります。反対に回転速度を下げれば、曲のテンポは下がります。これによって、本来はBPMの違う曲同士を調節して、同じBPMにすることによって、曲と曲をつなげていきます。

なお、この調整できる幅は、+-8%となっており、例えばBPM100の曲であれば、BPM100*108%=BPM108〜BPM100*92%=BPM92の間で調節することができます。

また、回転速度を上げると、BPMだけではなく、音も上がります。例えば、ヴォーカルが入っている曲であれば、回転速度を上げると、BPMだけではなく、声のピッチも高くなります。

Fig. 2‑6

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S2には上記の位置にピッチコントローラーがあります。

Fig. 2‑7

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ソフトウェア上では、上記の位置にあります。

ピッチコントローラーは、手前に動かすと「+」に、奥に動かすと「−」に、真ん中にすると「0」になります。

ミキサー

ターンテーブルがレコードから読み取った信号は、次にミキサーに送られます。

Fig. 2‑8

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ミキサーの役割は3つあります。

  1. ターンテーブルからきた信号の、音量を調整する
  2. Hi/Mid/LowをEQ(イコライザー)で調節する
  3. 2つ以上のターンテーブルからの音声信号を、ミックスする

ターンテーブルから来た信号の、音量を調整する

ターンテーブルがレコードから読み取った信号は、ミキサーに送られてきます。まずはここでGainを調節します。(Gainの詳細についてはDJの基本を理解した後に説明します。) 音が割れない程度に、ここで音を大きくする必要があります。(最終的なヴォリュームは、フェーダー等々、このさきのセクションも関わってきます。しかしまずは入り口にGainの調節があります。)

Fig. 2‑9

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Fig. 2‑10

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Gainの調整箇所は、複数個あります。それは、各ターンテーブルに一個用意する必要があるからです。つまりDJは通常2台のターンテーブルを使用するので、Gainの調整箇所は2つ以上必要だということになります。Fig. 2‑9とFig. 2‑10を青い線で囲みました。この青い囲み1つ分が、ターンテーブル1つと、それに対応した音量・EQ等の調整箇所です。ターンテーブル1つに対して、1セットあるのです。逆にいえば、画面上に沢山の操作できる箇所があるように見えるのですが、基本的にはこの1セットが、複数用意されているだけなので、1セットを理解してしまえば、画面上のかなりのエリアを理解したことになります。

EQ(イコライザー)

Fig. 2‑11

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Fig. 2‑12

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EQ(イコライザー)は通常、Low/Mid/Hiの3つに分かれています。Low=低音域、Mid=中音域、Hi=高音域です。

実際のDJ中の主な使用法方法と効果は以下の様なものです。

  1. Low を左に回し切り、低音をゼロにすることで、キックを消す。トラックの盛り上がりが最高潮になる直前にEQのLowを左に回してキックを消し、盛り上がりの最高潮になった瞬間にLowを通常の位置に戻す。これによって盛り上がりを強調できる。
  2. Lowは操作せずに、MidとHiだけを操作する。Midを下げた量と同じだけHiを上げる。逆にMidを上げた量だけ、Hiを下げる。この動きを交互に行うことで、低音のグルーブを一定にしたまま、曲に動きをつけることができる。
  3. 単に音質の調整に使う。例えば、元のトラックのキックがあまりに小さい場合に、Lowを上げる。他にも、トラックのVocalが小さいと感じる場合に、Midを上げる等。

EQの操作については、他のDJが何をしているのか真似することで、基本的な技術を身につけることができます。しかし、より掘り下げた使い方をするためには、「EQの仕組み」と「トラックのどの帯域にどのパートが入っているのか」を知る必要があります。これは音楽編で詳しく説明します。

フェーダー

Fig. 2‑13

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フェーダーはGain→EQの後に通る場所で、ヴォリュームを調整する機能を持ちます。上がっていれば大きく、下がっていれば小さいです。

Mixer内の順番

ターンテーブルから来た信号は、Gain→EQ→Faderの順番で通りながら、各箇所での調整の影響を受けます。つまり、Gainの段階で音量がゼロだったら、EQやFaderで調節しても、ゼロになりますし、GainやEQの段階で音を大きくしようとしても、Faderを完全に下げていれば音はなりません。つまり、音をだすためには、Gainが上がっていて、EQが完全に左に振りきれておらず、フェーダーが上がっていなくてはいけません。

モニターボタン

モニターボタンを押したチャンネルが、ヘッドホンから聞こえます。この際、フェーダーが上がっていなくても聞こえます。この機能は、後に説明するピッチ合わせの際に必要になります。つまり、フロアー(会場)には音が出ていないトラックを、ヘッドホンだけで聞きながら準備するためにあります。

Fig. 2‑14

 

Fig. 2‑15

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Fig. 2‑16

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1.        Fig. 2‑16はヘッドホンのヴォリュームと、モニターとマスターのヴォリュームを決定します。

2.        CUE VOLは単純なヴォリュームです。右に回すほど大きな音になります。

3.        CUE MIXは左側に回しきると、モニターボタンをおしたチャンネルだけが聞こえることになります。反対に、右側に回しきると、マスターアウト、つまりフロアー(会場)に送られる音声だけが聞こえることになります。

4.        CUE MIXは一般的に、左側に回し切って、モニターボタンをおしたチャンネルだけを聞くことが多いようです。その場合は、フロア側の音を聞く場合には、ヘッドホンを外して、聞きます。このようにセットする人が多い理由は、単にモニターチャンネルとマスターアウトの音の2つが混ざった音をヘッドホンで聞くと、どちらがどちらの音なのかを判断するのが難しいからです。ヘッドホンはモニター音だけを聞くと決めておけば、混乱することはありません。 

キュー

曲をロードすると、通常「1」と書かれたマークがトラック上に配置されます。これはキューの「1番」の位置を示しています。(Fig. 2‑17)

Fig. 2‑17

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(Fig. 2‑18) S2コントローラーのCue1ボタンを押すと、トラックはcue1に移動します。

Fig. 2‑18

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注意

1.        Cueボタンは単に移動するだけなので、その時点で「再生状態でなければ」、移動後、停止します。反対にその時点で「再生状態」であれば、移動した後に、再生し続けます。これはターンテーブルを想像すればわかります。ターンテーブルの回転は再生・停止ボタンが担っており、Cueボタンは全く影響を与えません。

2.        S2のCueボタンは「色が付いている」状態が、設定されている状態です。「色が付いていない」状態は「空いている」状態です。「空いている状態」でCueボタンを押すと、その場所に新たにCueが設定されます。「Shift + Cueボタン」でCueを削除することができます。

3.        Cueボタンを長押すると、停止中であっても、その間だけ再生が継続されます。

Cueボタンは何故必要か

この後にピッチ合わせを学んでいただきますが、その際に頭出しを何度もする必要があります。頭出しとは、トラックを曲の頭に戻すことです。頭出しをする際にCueボタンを活用します。

ターンテーブルの場合は、単に針を浮かせて頭に移動させ針を下ろすか、もしくはレコードを反時計回しにして、曲の頭に戻します。このターンテーブルにおける頭出しはやってみるとわかるのですが、面倒です。ですからCueボタンを活用するわけです。

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