寄稿:@315mew 「文字をひねり出すツールとしてのTwitter」


サイトのアイコンを描いてくれたミイコさんが書いてくれました。Twitter:@315meow

【大体いつも文字はひねり出すものだ】

書きたいけれども書けない、という時はやって来ます。文章を書きたいのに、あんなことを書けたらと思うのに、なんだか降りてこないなあ、なんて言いながらいつまでも待っていたい時が、です。一体いつになったら、調子よく書けるようになるのだろう。しばらく待ってみようか。しかし、今日はここでいつまでも待ってしまおうとする前に、少し思いとどまってみます。 そもそも、文字というのは、ただぼんやりしているとき唐突にひらめいて、あちら側から浮かんできてくれるほど、常日頃から親切だったでしょうか。おや、よくよく考えると、そうではないような気がしてきました。これまでにひらめいた一瞬よりも、なんとか書き出す連続の回数が、ずーっと多かった。うーんうーんと迷いながら、まずはぱちぱち文字を打つ。振り返ってみるといつも、苦し紛れにひねり出す要領で、文章を書き始めているのです。もちろん、時にはひらめきの勢いにあやかることの出来る日だってあるにはあるでしょうが、その特殊なたった数日のためだけに、文字を「いつも勝手に、無限に出てくるもの」と決めつけるのは、わたしには難しいことです。 文字をひねり出すには、どうしたらいいのでしょう? 何より、いつかやって来る「ひらめきの日」をいつまでも待ち続けられるほど、わたしには時間がありません。

【文字をひねり出すツールとしてのTwitter】

どうすればいいのか、というと、やはり、自分の力で沈黙を破るほかないのです。つまり、何も思いつかなくてもいいからとにかく書け、なんて話になりそうなわけですが、これはそんな苦しそうなことを言うがための文章ではありません。そうではなくて、「なんだかんだいって、Twitterが良かったね」と言うための文章です。 Twitterは文字をひねり出すツールとして、かなり良いはたらきをしていると思います。単純で書き出しやすいので、わたしはよく、上記のように「文章を書きたいけれども書けない」ときでも、これだけはすいすいと利用します。たとえば、なんにも書くことがない、ときならば「あ」とつぶやいてみます。 「あ」と、たった一文字ですよ。「あ」。文房具屋さんのペン売り場で試し書きをする要領で、書きはじめます。ここは、ページに限りのある高級な紙でもなければ、必ずしも誰かに読んでもらう文字である必要もありません。好きなだけ書きはじめることが出来るのです。そして、読まれずとも、少なくとも誰かの目にはとまるかも知れませんから、わずかばかりのモチベーションも起こります。まずは「あ」で沈黙を破るところから。それから続けて、「あい」でも「あいう」でも「あいうえ」でも。続けて。 こうしてひとまず、文字をひねり出しました。あとは、日課のようにこのひねり出す行為をいやというほど繰り返してゆきます。毎日、文字で何かしらを発する者となる。無理矢理にでも、文字を自分の生活のなかに組み込んでしまうのです。

【つぶやこう】

どんなに文字にするのが苦手でも、パソコンやスマートフォンで「あ」と打てない人はいないでしょう。何か書いてみたい気持ちだけはあるけれども、どうしてもうまくゆかなかいときは、ひとまず「あ」です。そして、こうなったらもう当分は「あ」だけでも差し支えないとは思いますが、「あ」以上に多くのことを書けそうになったならば、「ゼラチン」とか、「さっき妹が聞こえるようにわたしの悪口を言った」とか、少しずつ文字を増やしていったり、減らしていったりします。そして最後に、これだけで今日、なにかを書いたつもりになります(だけどこれは、ほんとうのことだから)。 文字を打って投稿さえ出来れば、何にだってTwitterの代替は可能です。最悪Twitterが無くなってしまったとしても、どんなところへだって移住ができてしまうのでしょう。そしてそのときというのは、わたしもあなたも、手元には「手始めに文字をひねり出してみるだけの力」が残っています。

【どうしてこんなにTwitterが好き】

お心当たりのある方がいるかも知れません。Twitterにどっぷりになって、日常生活のものごと、心情、空想、なんでもかんでも文字に変換するのが楽しくて、仕方がなくなってしまう。まったく大人気ないのですが、わたしもまさにその通りで、「可笑しかったらとにかく文字に!」という思考回路を未だに温存して日々を過ごしています。なんでもかんでもネット上の、文字のやりとりに最適化されてしまったあたま。気味が悪いですね、という話ならば当然これまで何度もされてきました、けれども、それもまた悪くないかもねと思うことが、一方であります。 なんでもかんでもTwitterに投稿するのに慣れてゆくほど、ものごとを文字に変換するハードルが、ぐんと下がったように感じます。とはいえ当然、140文字という制限があっては、それが直接長い文章を書くことに繋がるのだとは言えません。ただ、呼吸をするようにものごとを文字に変換する筋肉がついたという点。これだけは、たしかに確かだと思います。そしてこれは、たまたまこの時Twitterというツールが使われただけのことに過ぎないのですが、もしもTwitterのように安易に文字を打つ習慣を身につけるような手段が、ここ数年のわたしに提供されていなかったとしたら。それでも文章を書くことには興味くらい持っていたかも知れませんが、はたしてここまで不自然なまでに、文字と癒着した生活を送っていたかどうか。 みなさんがもし今、「書きたいけれども書けない」でお困りでしたら、すぐにでもつぶやいてみるのもひとつの手かも知れません。

 

 

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『角砂糖ふたつ』って、なあに?

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*発行手順*
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*発行元 かねますみいこ* Twitterリンク
兼桝綾のTwitter  未衣子のTwitter

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