「STEMS」に対応したTRAKTOR 2.9 の使い方


TRAKTOR 全体の使い方はこちらです。この記事は、Native Instruments社の新しいオーディオフォーマット「Stems」を使いこなすための説明です。

追記 Stems View

「Stems View」により専用コントローラー以外でもStemsトラックの内容がリアルタイムで確認できるようになりました。詳細はこちらの記事から

追記 Stems Creator Tool ベータ版公開

Stemsファイルを作るためのソフトウェアが公開されました。操作、ダウンロード先はこちらから。

追記 なぜSTEMSの波形をPC上で見れないのか

STEMSをtraktor 2.9から扱えるようになったにも関わらず、その波形はD2とS8の2機種からしかみることができません。この件に関してNIはGPUの問題だといっています。また、PCでも表示できるようにトライしているとのことです。待ちましょう。

StemファイルをTRAKTORデッキにロードしても、個々のStemトラックが表示されない

TRAKTOR 2.9.0以降、TRAKTORのStem DeckでStemファイルをロードして再生することが可能となりましたが、ソフトウェア上で直接個々のStemsを視認またはコントロールすることは出来ません。

個々のStemトラックの波形画像はコンピュータのGPU(グラフィックプロセッシングユニット)経由でレンダリングされる為、これらの画像描画は、現在TRAKTOR KONTROL S8 / D2コントローラのディスプレイ上のみで表示されますが、TRAKTORのGUIはTRAKTOR KONTROL S8 / D2とは異なり、GPUではレンダリングされず、コンピュータのCPUでレンダリングされます。Stem Deckに4つの波形をレンダリングすることは、CPUに大きな負荷を与え、(音声のノイズ、歪み、ソフトウェアインターフェースが反応しない等)パフォーマンスに大きな影響を与えます。

現在Native Instrumentsでは、TRAKTORソフトウェア上でStems表示と操作を可能にする為、波形描画のCPU使用量を減らすか、GPUを利用する方法をテストしています。当面の間、キーボードやハードウェアコントローラからStemsをコントロールする方法についてこの記事をご参照下さい。

「STEMS」に対応したTRAKTOR 2.9 の使い方

ついにNative Instruments社の新しいオーディオ形式「STEMS」に対応したTRAKTOR 2.9が公開されました。今回は更新の仕方、使い方、STEMSの解説をします。

ヴァージョンアップの仕方

まずはいつもどおり、Native Instrument のサービスセンターを以下のアイコンをクリックして起動しましょう。

スクリーンショット 2015-08-04 15.52.31

そしてアップデート→Traktor 2.9.oをダウンロードし、インストールボタンを押しましょう。その後再起動が必要です。スクリーンショット 2015-08-04 15.55.06

STEMSとは何か

Native Instruments社がTraktor 2.9から実用化したオーディオファイルのフォーマットで、独立して音量・エフェクト・EQなどをかけることができる4トラックが1つのファイルの中に含まれています。まずは以下の動画を見てください。

リミックス・デッキのさらなる進化形といえかもしれません。ただ、16小節ほどの短い断片を用いるリミックスデッキとは異なり、STEMSは完全な1曲が4つのトラックに分かれています。つまり、あくまで購入するのは断片ではなく、完全なトラックです。そのトラックを、今までよりもさらに自由に処理できるフォーマットということです。

どこでSTEMS形式のトラックを買えるのか

公式サイトによれば、以下のサイトで購入可能とのことです。

  1. Beatport
  2.  Bleep
  3. Juno
  4. Traxsource
  5. whatpeopleplay
  6. Wasabeat

新しいデッキフレイヴァー「STEM DECK」

デッキフレイヴァーに新しく「STEM DECK」というものが追加されています。これが「STEMS」形式のファイルを再生するためのデッキです。

スクリーンショット 2015-08-04 16.33.42見た目は全く同じ…

デッキフレイヴァーはトラックデッキと全く変化なし…。不安。

スクリーンショット 2015-08-04 16.36.26

まずはBeatportでSTEMS対応曲を購入

STEMSコーナーがあるので、ここから選んで購入。ダウンロードする際には、STEMSという特殊なフォーマットではなく、普通のWAVやMP4の形式でダウンロードします。

無料のSTEMファイルも公開されています

https://www.native-instruments.com/jp/specials/stems/

あとから気づいたのですが、ここをクリックすると、無料のSTEMファイルがてにはいります。まず試してみたいという方はこちらから。

3ヴァージョン入ってます。

  1. トラップ
  2. ドラムン
  3. ツーステップ

スクリーンショット 2015-08-04 18.16.39

直接Deckにロードすると「先にアナライズしろ」とエラーが出るので、まずは一旦プレイリストにいれること

購入したファイルを直接STEM DECKにドラックアンドドロップすると「先にアナライズしてくれ」とエラーが出るので、まずは以下の様なプレイリストに追加します。

スクリーンショット 2015-08-04 16.45.43

その後に右クリックしてアナライズを実行。

スクリーンショット 2015-08-04 16.46.22

すると、STEM DECKにロード可能になります。

普通のTRACK DECKになる…

ロードは出来たものの、普通の画面になってしまいます…なぜ…

スクリーンショット 2015-08-04 16.49.39

なんとPC側の画面は変わらない!

残念なことに、STEMファイルをロードしてもPC側の画面は変わりません。なんてことだ…しかしまだ諦めるのは早い。MIDIマッピングはできると書いてあるので、そこを覗いてみましょう。

あった!!!

Deck Commonの中にSubmixという今までなかった項目があります。結果的にこれがSTEMをコントロールすための機能です。

スクリーンショット 2015-08-04 17.05.55

実際の動画

実際にMIDIコンにアサインして使ってみた動画です。EQでキックを消しているのではなく、STEMSの機能によって4パラになっている1つのトラックをまるごとMUTEしているので、ハイハットやスネアなども完全に消えています。こういった操作は、既存のトラックでは不可能でした。

また、ヴォーカルだけにフランジャーとリヴァーヴだけをかけたりしています。これもSTEMSでなくては不可能です。通常であればトラック全体にかかってしまうので、かけたくないキックやスネアにもエフェクトはどうしてもかかるものでした。STEMSによって4パラになっているので、ヴォーカルだけにエフェクトをかけれるわけです。

コントローラーへのアサイン

まずControl Managerにいきます。

スクリーンショット 2015-08-04 17.59.46

次にAddを押す。

 

スクリーンショット 2015-08-04 18.00.04

TSIファイルをインポートしてください。

スクリーンショット 2015-08-04 18.00.17

あとはここから自分のコントローラーを選択します。

スクリーンショット 2015-08-04 18.00.34

 

最期に「Learn」をおした後に、自分のコントローラーのアサインしたいつまみを動かせば、そこにアサインされます。

スクリーンショット 2015-08-04 18.00.43

※私が作成したTSIファイルはおって公開します。まずは上の画像と同じ項目を追加してみてください。

Kontrol S8 と Kontrol D2 だけがいまのところ4トラック・ディスプレイに対応している

デモ動画で見れるような、綺麗に4トラックにわかれたディスプレイ表示は、今のところKontrol S8とKontrol D2だけにしか対応していません。今後PC画面でも表示されるようにはなるはずです。

STEMファイルは自分でも作成できるのか?

今後STEMファイルを誰もが作成できるようになります。そのための作成ツール「Stem Creator」はまだ公開されていませんが、近いうちにされるはずです。

stems

STEM形式で公開することによって、クリエイター側にとって得することはあるのか

STEM形式で公開することによって、より有効な「DJツール」を提供することができます。結果として、DJはSTEM形式ではないファイルで提供されるトラックよりも、STEM形式でよりフレキシブルなDJができるトラックを選ぶはずです。

特にテクノではその傾向が強いでしょう。テクノにおいては、2Deckどころか3Deck、もしくは4Deck活用して、トラックをほぼ素材として使い、その場でコンポーズするようなDJプレイをする人が多くいます。

代表的なのは「Richie Hawtin」で、De9: Transitions ではこのコンセプトをかなり押しすすめて、ほとんどトラックメイクといってよいミックスを行いました。

http://www.amazon.co.jp/De9-Transitions-DVD-Richie-Hawtin/dp/B000B8TOTO

こういったスタイルにSTEMSは完全に対応します。

Ableton LiveとTraktorどちらを選ぶべきか

こうなってくるとほとんどライブがTraktorだけでできるようになるわけです。だとすれば当然、今までAbleton Liveでライブをしていた人も、Traktorに乗り換えてみようと考える人が出てくるはずです。実際どうでしょうか。

この問題を考える上で重要になってくるのは、どれくらいライブ中にパラメーターをコントロールしたいか、ということです。STEMを活用したTraktorによるDJでコントロールできるのはあくまで音量、フィルター、そしてエフェクトだけです。つまり、それ以外のパラメーター、例えばシンセのLFOの具合や、ドラムのディケイなどを変更したければ、当然Traktorは適さないということになります。

しかし、実際問題、ライブ中にこういった細かなパラメーターを操作することはどれくらいあるでしょうか?

あまり声を大にしてはいえませんが、エレクトロニクスのライブは、ボタンを押せば最期まで演奏が終わるようなものがほとんどを占めていることでしょう。むしろ、やることがなくて、手持ち無沙汰なので、なんとなくEQやフィルターを操作しているだけの人も多くいると思います。(もちろんすべての人がそうではないと思いますが…)

だとすれば、実はTraktorとSTEMを活用したライブセットは、必要十分だと言えるかもしれません。むしろ項目を絞ることで、よりタイトなライブができるようにも感じます。

TraktorとSTEMを活用することでライブの準備が楽になる

traktorとSTEMを活用したライブのもう一つの利点は、ライブの準備が楽になることです。ライブ用に、各トラックをパラで用意して、その日使うものをAbleton Liveに並べて…という作業は実はかなり大変です。しかし、Traktor とSTEMを使えば、1トラックの中に自動的に4パラデータが用意されることになるわけです。過去に作ったトラックのファイルから、トラクターのプレイリストに移しておくだけでOK。すごい簡単です。

まとめ

  1. 現時点ではD2とS8以外では、4トラックにわかれた表示はされない
  2. しかし、MIDIコンに自分でアサインすることで、今すぐSTEM DECKを活用することができる
  3. STEM形式のファイルを作るためのStem Creatorはまだ公開されていない。近日公開予定
  4. STEM形式のファイルとTraktorを使ったライブは、今後普及する可能性がある

ではまた!

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