ソングストラクチャーとは
ソングストラクチャーとは、曲の構成のことです。イントロがあって、Aメロがあって、サビがきて、次に間奏が入る…という曲中の各要素がどういう順番で、何小節あるのか、ということを理解することで、ミックスできる場所を簡単に見つけることができます。
どこでつなげばいいか
簡単にいえば、再生中のレコードのサビ終わりに続く「少し落ち着いた箇所」と次の曲の「イントロ」をつなぐのが一番簡単な方法です。
次の図を見てください。(下手くそな文字ですいません…) サビが終わって、そのつぎに歌の入っていない8小節があったとしましょう。この部分と、次の曲のイントロ、つまりドラムだけしかない場所をつなげばいいわけです。
つまり、ひとつのポイントは、歌が入っていない箇所を見つけることです。それから、長さです。8小節と8小節であれば綺麗につながりますよね。でも、片方が異常に短いと、つないでいる間に、どちらかの歌が入ってきてしまいます。ちょうど長さがおなじになるような場所をみつけるか、もしくはその長さになるように調整する必要があります。
ソングストラクチャーを調べてメモすれば良い
ソングストラクチャーを理解していれば、簡単に曲をつなぐことができるので、前もって曲のストラクチャーを調べて、メモしておけば確実です。実際にはDJが全ての曲の構造を暗記しているということはあまりありませんが、少なくとも次にかける曲を準備する際に、何小節で次の場所に進むかを確認しています。それから、大体8小節か16小節で曲が展開していくので、予想できるというのもあります。
こういったことは慣れれば特に数える必要もなくなります。しかし、全くどこでミックスすればよいか検討もつかない初心者の場合には、全部書き出して、サビでもAメロでもない場所同士をつなげば、大抵うまく行きます。
実際の曲のストラクチャー
次の4つの写真は、実際の曲のストラクチャーを分析したものです。
- bar = 小節
- verse = Aメロ的なもの
- chorus = サビ的なもの
- bridge = verseでもchorusでもなく、他の箇所とはキーやコード進行が少し不思議な箇所で、つなぎの役割をしているところ
- vocal hook = 短めの歌のループの箇所
- vocal FX = ドラムがなく声だけ、しかもリバースしていて、冒頭によくあるもの
- drum break = ドラムだけの箇所。冒頭に1小節だけある場合もある。
実際にどういう名前をつけるかは、自由で自分がわかればいいでしょう。ただverseとchorusの位置と長さだけは把握したほうが、ミックスがしやすくなります。また余力があれば、break down つまり、ドラムが抜ける箇所、build up つまり、スネアロールなどで徐々に盛り上がっていく箇所、等々も記録すると、よりテクニカルにミックスできる箇所が見つかります。
ミックスできる箇所
ミックスできる箇所は、色々ありますし、またジャンルによっても一概にいえませんが、一般的にイージーだと考えられている方法や、場所はいくつかあります。
- アウトロと、次の曲のイントロ
- chorus終わりにあるソロ(楽器だけで歌が入っていない箇所)と、次の曲のイントロ
- break down とbreak down (EDMによくある手法で、片方の曲のbuild up と次の曲のびbuild upをミックスしていって、 dropの箇所で完全に切り替える)
- chorus終わりに、次の曲のverseをカットインさせる
繰り返しになりますが、どこでミックスできそうかは、ジャンルによってかなり異なっていますし、逆に同じジャンルであれば同じ手法がどの曲でも通用することが多いので、ストラクチャーを書いてみて、どこでつなげそうか幾つかチャレンジしてみると、法則をつかめるはずです。
ただ、基本は上記の図のような考え方です。音が少ない・音が小さい箇所同士をつないで、そして次の曲のメインの場所が完全に始まると同時に、前の曲を完全に消します。ですから考えなくてはいけないのは以下のことです。
- どこが曲の中の薄い箇所なのか(ボーカルが抜ける、ドラムだけになる、ドラムがなくなる等々)
- 何小節重ねるか。
- どこから次の曲だけを聞かせたいか。
それさえわかれば、あとはフェーダーを動かすだけです。PCDJであればピッチ合わせも簡単にできますから、一番重要なのは、ミックスする箇所だということになります。
まとめ
- 曲の構造を書き出す
- ミックスできそうな箇所をみつける
- 何小節重ねて、どの箇所から次の曲だけを聞かせたいか考える
- 繰り返していると、慣れてきて、調べなくてもできるようになる
ではまた!