ネオリーマンセオリーの話ばかりで大変申し訳ないのですが、文献を読んでいると、英音名とは異なった音名の表し方が出てきます。具体的には上記の図の中にあるようなものです。つまりピッチクラスとピッチクラスセットとフォルテクラスという3つの方式です。(ピッチクラスは単音を、ピッチクラスセットとフォルテクラスは和音を表すために使われています。)
これらは全く覚える必要はないのですが、もしネオリーマンセオリーの文献を今一緒に読んでいる人がいれば、これだけおさえておけば、なんとなくはわかりますよ、という情報を提供したいと思います。本格的に無調を分析したい人は、専門の本を買ってください!これはあくまで、ネオリーマンセオリーの勉強に必要な情報だけに絞っています。
ピッチクラスは単に音名を数字に変換しただけのもので、機械的に音名に変換できます。(相対音を示す時もありますが)
和音は、ピッチクラスの集合である「ピッチクラスセット」で表されます。これは単に3和音なら3つのピッチクラスを組み合わせて表記したものです。またこれには対応するフォートクラスもあります。
なんのことやら。
詳細は以下。
ピッチクラス
ピッチクラスは比較的簡単で、0はCを、2はDを等々、単に音名を数字で表しているだけのものです。なぜわざわざ数字で表すのでしょうか?理由はおそらく簡単で、数字の増減で、音の移動が明確にわかるからだと思われます。(また、数学的な操作も容易です。)
ということで、ひたすら覚えてしまいましょう!
ピッチクラス | 音名 |
0 | C |
1 | C#/Db |
2 | D |
3 | D#/Eb |
4 | E |
5 | F |
6 | F#/Gb |
7 | G |
8 | G#/Ab |
9 | A |
A/T | A#/Bb |
B/E | B |
ちなみに、10を使わずにAもしくはT(=ten)、11を使わずにBもしくはE(=eleven)を使用します。
ピッチクラスセット
ピッチクラスセットは和音を表しています。そして各数字は、上記のピッチクラスに対応しています。つまり[047]と書いてあれば、0=C , 4=E , 7=G を表していますので、[047]=[CEG]という意味です。つまりここではC△のようなものを表していると考えてください。
0 | 4 | 7 |
C | E | G |
またこれで表せるのは一般的なコードだけではありません。下記のように[046]=[CEF#]を表しますので、一般的なコードでないものも表せます。ピッチクラスセットは単に音の集合を示しているわけです。
0 | 4 | 6 |
C | E | F# |
これはEmのようなものですね。
4 | 7 | B |
E | G | B |
ちなみに3音の集合だけではなくて、4音とか、5音とか色々表せます。以下の例[047B]は結果としてCM7のような音の集合を示しています。
0 | 4 | 7 | B |
C | E | G | B |
お判りいただけたでしょうか?ピッチクラスセットは、ピッチクラスの集合です。setとは数学用語で「集合」です。ピッチクラスは数字で音名を表していました。そしてそれの組み合わせなので、結果として和音を表しています。
フォートクラス
これは覚えなくても読めます。例えばピッチクラスセット表記の[047]は、フォートクラスで表記すると(3-11)になります。どういう規則になっているかというと、(X-Y)のうちXは集合の数です。つまり(3-11)というフォートクラスは、3音からできているぞ!ということを示しています。
ではYは? これはですね、ざっくりいって適当につけられた「通し番号」です。(本当は違うのかも…) 例えば3音からなるフォートクラスは、(3-1),(3-2),(3-3)というふうに番号が用意されています。そして4音からなるものは、(4-1),(4-2)…とまた1から振られています。ですので、覚えれません!
まとめ
- ピッチクラスは、音名を表している。単にCに数字の0をつけ、半音増えるたびに数字が1増えるだけ。
- ピッチクラスセットは、ピッチクラスの集合(集合 = set) であって、結果として和音を表すために使われる。コードネームがつけられないような音の組み合わせも表す。
- フォートクラスは、音の集合にフォートさんが適当に名前をつけたもの。あんまり出てこないから無視してもOK!
えー、大変面倒ですが、参考になれば幸いです。
ではまた!!!