2011/11/3
音楽理論は一般的に、メジャースケールを基本と考えら作られています。いわゆるドレミファソラシドですね。
メジャースケールから外れる音に対しては、説明が入ります。例えばF#がでてきたとしましょう。Cメジャースケールのダイアトニックな音はFですから、これは例外的な存在です。
「おそらくこのF#は、D7 G7と進むコードの一部で、ドミナントコードに進むドミナントコード、つまりダブルドミナントに含まれるF#」等と説明が入ります。
基本から外れるときに、なぜ外れたのか、なぜそれが可能なのか、説明をしていくわけですね。芸大和声やジャズセオリーなどを頭から学習していくと、例外の中でも、頻出するパターンから説明が始まります。
でも実際のコード進行においては、説明されないパターンのコード進行ががでてきます。C D7 F Gなどです。もっと難しくなると「C D7 Ab A F C」など。
こうなってくると、一体何処が中心なのかほとんどわからないですよね。ですからジャズでは「モードチェンジする」という発想が
でてきて、モーダルインターチェンジとこのテクニックは呼ばれます。
例えばCメジャーキーにおいて突然「Cm7」なんていうコードが出てきますね。これはkeyがCmajからCminに変わったのでしょうか?確かにこれはCminから借りてきたコードだといえるでしょう。けれど転調と呼ぶには準備がないし、突然元に戻ります。だからこれは、モーダルインターチェンジと考えた方がいいだろう、ということになります。
モーダルインターチェンジでは、もとのキーを中心に考えます。つまり、Cmajがあって、その中でEがフラットしたり、Bがフラットしたと考えます。このモーダルインターチェンジにおいては、元のキーとのなんらかの類似性を頼りに機能しています。つまりダイアトニックコードの一部が♭するだけでチェンジできる範囲に留まっています。
モーダルインターチェンジの一番原始的なものは、マイナーキーにおける五度上のコードがマイナーコードではなくセブンスコードになることだと密かに考えています。
Cm G7 Cmという進行のG7のことですね。Cナチュラルマイナースケールは、C D Eb F G Ab Bbですから、素直にこの中から音を選んだら、G Bb D F、つまりGm7になるはずなのに、BナチュラルにかわってG7になります。
これはメジャーキーのドミナントコードから借りてきているといえるのではないでしょうか。一番基本になるメジャーキーの法則を借りて、5度上にドミナントセブンスコードが発生しているわけです。
この、強い法則を借りてくる、というのがコード進行の「例外的な進行の拠り所」だと最近は考えています。ですから、ちょっと不思議なコード進行が、何処の力をかりているのかがわかると、応用がきくのではないでしょうか。
ではまた!