同主調と平行調/コード進行を分析してシリーズ3[例:Bill Evans]


 

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シリーズでお送りしてまいりました「コード進行を分析して、分からなかったときの解決策」、今回でひとまず終了です。お付き合いありがとうございました。

前回は「転調しているように見える箇所を、転調しているのだと思い込んで強引に分析する」という方法をご紹介しました。これを行うと以下の図のように、綺麗にキーがチェンジしているということが結果としてわかりました。この仮定が間違っていたとしても「間違えだったという情報が得られる」のだから、仮定をゴリゴリと検証することが大事、というのが前回の趣旨です。

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シリーズ2の結果

なぜ転調できるのか?なぜ転調したのか?

さて、残された問題は「なぜトライトーン先のメジャーキーに転調したのか(Fm→B)」ということです。この問題はゴリゴリと検証するだけでは見えてきません。ある程度経験が必要です。またこの段階になると、画一的な「正しい分析」というものもなく、様々な解釈が可能であると思います。結局のところコードはどのコードにも進むことが出来ます。どんなキーにも転調できます。それは実際の音楽をみればわかりますし、私は「 【コード = 和音】 という素材が【強い構造 = 秩序】 をもつために、キーやダイアトニックスケールから外れていても、成立してしまう」と考えています。実際そうとしかいえないコード進行がよく出てきます。

しかしそれでも、なるべく調性と結びつけて考えようとすることはできます。調性と結びつけて考えることによって、コード進行の素直さがわかってきます。つまり、調性的に非常に遠いコードへ進んだのか、それともある程度近場に移動したのか、こういったことが見えてきます。最終的には、この遠近でしかサウンドは分析できなくなります。

AmとEbの関係について

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移調したコード進行

わかりやすいように、曲全体をM3上に移調しました。つまり最初のキーはFmでしたが、Amに移調させました。結果として広範のBは→Ebに移調したことになります。

さて、こうすると前半のキーAmと後半のキーEbの関係が見えてきます。

同主調と平行調

同主調とはParallel key、平行調とはRelative key です。詳しくは本書の無料サンプル版を参照していただきたいのですが、パラレルキーとはつまり、トニックが同じメジャーキーとマイナーキーの関係です。ここではC Major と C minor の関係がパラレルです。そしてレラティブキーとはつまり、調号が同じメジャーキーとマイナーキーの関係です。ここではC Major と A minor、それからC minor とEb Major の関係です。

和音

同主調、平行調の図

ここで少し同主調と平行調の原語について言及させてください。日本語訳ではなくカタカナ英語を使っているのは、原語と翻訳の関係がややこしいことになっているからです。

同主調「Parallel key」の「Parallel」は一般的に「平行」と翻訳されます。しかし、ややこしいことに「平行」という言葉は音楽用語「Relative key = 平行調」で使われています。そして「Relative」は一般的に関係(もしくは相対)と翻訳されるべき単語です。しかし「関係」という言葉は音楽用語「関係調 = Closely related key」で使用されています。

つまり原語と日本語の対応が非常に入り組んでおり混乱するために、本書及び本サイトではカタカナ英語を使うことにしています。そして個人的にこの日本語訳との対応が全然覚えれないので、できればこのカタカナ英語が浸透してもらえないかな…と思っています。是非お願いします…全く覚えれません。

レラティブメジャーのパラレルマイナーのレラティブメジャー

「じゅげむじゅげむ」のようになってしまいましたが、A minor と Eb Major の関係は「レラティブメジャーのパラレルマイナーのレラティブメジャー」ということになります。

レラティブキー同士は調号が同じですから、相当近い関係、むしろ全く同じだといってもいいかもしれません。実際レラティブキーの行来は頻繁にされており、メジャーなのかマイナーなのか特定できない曲が多いことからも、このレラティブキー同士の非常に強い関係がよくわかります。

そしてパラレルキーは主音 = トニック (Tonic) が同じキー同士ということなので、共有されない音は3b 6b 7b の3つありますから、結構似ていません。それでも主音 = トニックは調性音楽においてとても大事なので、パラレルキー同士は比較的近い、ということになります。

さてレラティブキーをほとんど同じ物だと考えると、AmとEbは結果として「C」というトニックを軸に、パラレルキーという関係にあるといえます。それゆえ非常に近いということになります。ですからAm からEb への転調は、実は理論的にも近いキーに転調している、と考えることができるわけです。

モーダルインターチェンジもしくはサブドミナントマイナーと考えることもできる

9小節目のFm7というコードは、Key:Cから考えるとⅣm7、つまりモーダルインターチェンジでよく使われるコード、もしくはサブドミナントマイナーと考えることができます。(このあたりにはどこかブログに書いた気がしますが思い出せません…テキストにはもちろん入れました。)

過去に分析した「菅野よう子 作曲 / プラチナ」でも出てきますね。サブドミナントマイナーコードをうまく使うことで、転調のようにみせかけています。

私の世界~
C ConE F
Fm Bb Eb ←ここです。課題曲の9〜12小節と似ていますね。
Dm G7 Cm Bb
FonG

つまり、この観点からいっても非常に近い関係のコードに進行しているといえます。

まとめ

「コード進行を分析して、分からなかったときの解決策シリーズ」の結論をまとめます。

  1. まずは強引にローマ数字を頭から順番に付ける。わからない、と眺めているよりは、強引にいこう!そうすれば再現可能になるので、さしあたってはOK!
  2. 転調している雰囲気があったら、転調していると決めつけて分析しよう!結果的に間違っていても、間違ったことがわかったのでラッキー!やらないよりは、やったほうがマシ理論。
  3. キーチェンジやコードチェンジについてスマートに分析するために、同主調、平行調、関係調に注目してみよう。案外近いところに進んでいることが多いはずです。

以上です。ステップ「3」は少しコツと経験が必要になりますが、「1」と「2」は誰でもできますね。諦めずにとにかく手を動かすということが大切だと私は思います。

ではまた!


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ではまた!

 

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