コードが難しすぎて分析がままならないときに、どうしたらよいのかシリーズ。「解決策1」では、「とりあえず強引に冒頭のキーでローマ数字をふる!」というテクニックをお伝えしました。テクニックというほどのことではありませんが…
第二弾、「解決策2」は「めぼしい特徴のある箇所をみつけて、キーチェンジしたものだと自分を納得させてとりあえず分析する」です。
めぼしい特徴のある箇所をみつけて、キーチェンジしたものだと自分を納得させてとりあえず分析する
解決策1よりも少しだけ頭を使います。しかし今回もかなり強引です。大体ジャズであれば2-5-1をしている箇所が見つかります。ポップスなら4-1もしくは1-4、5-1。この特徴的な箇所をみつけだして、実際あってるかどうかはわからなくても、まずはそう「思い込んで」分析をします。
あってなくても思い込んで分析を始める、というのは非常に大切です。何故なら「あれー、キーはFmかなあ…Cmかなあ…Gmかなあ…わからないなあ…わからないから潔く分析をやめよう!」というのが一番良くない決断です。とりあえず間違っていても分析を始めてしまえば、結果的に間違えていたとしても、「すくなくともその方針は間違えだった」というデータが取れます。データを何個もとっていけば、何もしないよりは正解に近づいていきます。
ということで[Fig.1]を見てください。9小節目からどうやら2-5-1をしているように思えたので、ここからは「Key:B」だと思ってローマ数字をふっています。つまり「Key:Bに転調している」と自分を納得させて分析を始めたわけです。この時点では「何故FmからBにキーが移動しているのか」という理屈は全く分かっていません。しかしここは「Bなんだ」という強い気持ちをもって分析していきます。
そうすると綺麗に9小節目以降が、綺麗に整理されました。解決策1で強引にゴリゴリとローマ数字をふっていたときにはわからなかったことが見えてきましたね。なるほど、9〜16小節はどうやら同じキーのままのようです。そして1〜8小節から9に入るときにキーがFmからBにチェンジしているようですね。
でも何故そんなわけのわからないキーにチェンジしたんでしょうか?これはシリーズ3で解説します。
目星を「つけた」ほうが「つけない」よりは、3割くらいはマシ
今回は目星をつけた場所がたまたまた正解だったようですが、外れることもあります。むしろ大体外れます。それでも、目星を付けて分析しないよりは、した方が3割くらいはマシです。
何故なら、繰り返しになりますが、間違えだという情報が得られるからです。なんとなく眺めていても何もわかりません。強引にローマ数字をふってみることで、そのアイデアが正解だったのか、間違えだったのかが見えてきます。まずは手を動かすこと。これが何においても大事です。分析といっても結局は汗を書いて作業をしないとわかりません。ゴリゴリと真実を削りだしていかなくてはいけないのです。仮説を立てて検証する。このプロセスが大事です。
この分析をさらにスマートにするには?
キーがFmからBにチェンジしていることが今のところわかりました。ではなぜFmからBにキーチェンジしたのでしょうか?合理的な説明ができるでしょうか?
結論からいうとできます。第三回では、さらに洗練された分析にするために、どう考えていくか、ということを紹介します。
ではまた!!