コード進行を分析して、分からなかったときの解決策1 [例:Bill Evans]


Bill Evans / The two lonely people のコード進行

Fig.1 : Bill Evans / The two lonely people のコード進行

[Fig.1]はBill Evans / The two lonely people の冒頭16小節のコード進行ですが、かなり難解なコードだと感じると思います。おそらく9小節目でキーチェンジをしていますが、一体何故こんなキーにチェンジしているのか…13小節目もマイナーキーの2-5をしているように見えます。ということはここでもまたキーは変わっているのでしょうか?

難解なコード進行は、クリアーに分析するのが非常に難しく、なんなのかわからない箇所がたくさん残ります。そんなときどうしたらいいでしょうか? わからないからといって、演奏しないわけにはいかないし、それにせっかく分析したのにテクニックとして身につけないのはもったいない気もします。

解決策1:とりあえず冒頭のキーのまま、全部ローマ数字をふる

Bill Evans / The two lonely people の分析

Fig.2 : とりあえず全てのコードに冒頭のキー[ここではFm]でローマ数字を全てふる

身も蓋もない解決策なのですが、わからないときはとりあえず、冒頭のキーのまま全部のコードにローマ数字をふりましょう。こうすれば少なくとも、9小節目のよくわからないコードが「トニックからⅠから考えればm6上のminor 7th chordであること」まではわかります。そして9小節目からは2-5-1をしているように見えます。本当にⅡmなのかはわかりませんが、少なくとも現象としては2-5-1に見えます。

頭からローマ数字を強引にふれば少なくとも「自分がどこにいるか」はわかる

このように冒頭のキーで強引にローマ数字を全てにふってしまえば、少なくとも「自分がどこにいるか」はわかります。

スクリーンショット 2014-12-08 21.16.56

Fig.3 : 「どの街にいるかはわからないけど、自分の位置はわかる」の図

イメージとしては[Fig.3]のような感じです。「今自分がどこにいるか具体的にはわからないけど、とりあえず上野から西に5キロ、南に7キロ、西に1キロ進んだ所に自分はいることはわかるぞ。家に帰るには東に6キロ、北に7キロいけばいいんだな。今自分がいるところがなんていう街かわからないけど…人がいっぱいいるなあ、お祭りかなあ…とりあえずレコードの針を買おう。」という状態です。

彼が着いたのは結論から言えば渋谷ですが、渋谷だという固有名詞がわからなくても、とりあえず家からまた遊びにこれて、それで帰れれば、用は足りるわけですよね。頭からローマ数字をふれば、とりあえずなんとかなるわけです。

大事なのは「再現」できること

楽曲を分析する上で大切なのは、自分が「再現」できることです。演奏家だったらとりあえず弾ければいいわけだし、作曲家だったらこのサウンドを自分の曲に使えればいいわけです。わからなくても、使えればとりあえずいいわけですよね。

そのためには繰り返しになりますが、頭からローマ数字を強引にふればいいんです!!笑 私もまずは一曲通して強引にローマ数字をふっています。

バークリーメソッド:アメリカ人の気質:プラグマティズム

実はこの強引にローマ数字をふるアイデアは、バークリーメソッドの本質だと思います。バークリーメソッドとはボストンにある音楽大学「Berklee College of Music」 で教えられているというメソッドの日本での総称ですが、基本的に「なぜ?」ということを大事にしていません。それよりも「なにがおきている?」そして「どうすればそれを再現できる?」ということにだけフォーカスしています。(もちろん簡単にわかることは説明があります)

つまりこんな感じです。

ビルエヴァンスはドミナントコードのテンションに「b9 +11」を選択している。この選択をすれば聴いた通りのサウンドになる。どのテンションを選ぶかは君が決めること。少なくともこのテンションを選択すれば今聴いたサウンドになる。サウンドとテンションを結びつけて暗記して、自由自在に再現できるように練習すること。(理由は一応ある。このテンションはオルタードスケールから選ばれている。しかも#11と7とb9が結果としてメジャートライアドを形成するので、サウンドとしてのまとまりができる。)

ようは狙ったサウンドをどうやってだすか、そのためには何が起きているかだけわかればいいだろう。なぜか、という問題は二の次、という感じがします。

この非常に実際的な=徹底的なプラグマティズムは、アメリカ人の根底にあるように思います。さすがプロテスタントの国。(詳しくはこちら→プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神)徹底的にリバースエンジニアリングをし、使いこなすことにたいする執念が半端ない。すぐに明文化して広める、という速度と強度に驚かされます。

ということでまずはこのアメリカンプラグマティズムをリスペクトしながら、頭から強引にローマ数字をふりましょう。

長くなったので、続きはまた今度!!!

解決策2はこちら

まずは、音楽理論の理解を深めてから!という方はこちら

 

 

 

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