和音= コード「Chord」
和音は、英語ではコード「Chord」といいます。どちらも同じことを指します。和音は、コードを日本語にしたものです。だからもしあなたが英語が多少出来るなら、和音と呼ぶのはもうやめて、コードと呼んだ方が何かと便利です。わざわざ翻訳された言葉を使うのは面倒なことが多いからです。
「和音/コード」というのは「複数の音を同時に演奏したサウンド」のこと
さて「和音/コード」というのは「複数の音を同時に演奏したサウンド」のことです。例えば下の図[Fig.1]をみて鍵盤を押さえてみましょう。二つに分かれた鍵盤の、左側を左手で、右側を右手で押さえます。
「複数の音を同時に演奏したサウンド」が聞こえましたね?それが和音/コードです。私たちはこのサウンドをコードと呼びます。とにかく同時に音が鳴っていれば、それをコードと呼びます。コードとは、複数の音が同時になって、それが音楽をつくる材料となっているサウンドのことです。
「コード」と「メロディ」の性格の違い
複数の音が同時になるのではなく、順番になるような場合、我々はそのサウンドを「メロディ」と呼ぶでしょう。もちろん、「メロディ」と「コード」は別々のものではありません。互いに親戚のようなものです。ですけれど「コード」と「メロディ」と分けて呼ぶ理由は感覚的にわかりますね。「コード」は、例えば[Fig.1]の最初のコードで考えると、「C E G」という三人の仲間が協力してサウンドを作り上げているように聞こえます。それに対して「メロディ」はどちらかというと非常にリーダーシップのある人間が一人で音楽を切り開いていくように聞こえます。「コード」と「メロディ」にはこのような性格の違いがあります。しかし当然ですが「コード」と「メロディ」はお互いに音楽を志す仲間です。彼は「コード」なのか「メロディ」なのかと分けることにはそこまで意味はありません。
「バッハ」は「コード」?「メロディ」?
上の音源は、バッハの有名な曲です。最初の部分で何が聞こえますか?「コード」ですか「メロディ」ですか?
「コード」と「メロディ」を分けることがほとんど意味がないということがこの曲を聴くとよくわかります。あきらかに最初の小節ではCメジャーコードのサウンドが聞こえます。しかし、同時に全ての音がなるのではなく、順番に音がなっているので「メロディ」としても聞こえます。このような演奏を「アルペジオ」と呼ぶこともあります。つまりこれはコードでありメロディです。(対位法/カウンターポイントの話はまた今度にしましょう。)
「コード」と「アルペジオ」
このバッハの曲から学べることはつまり、コードをアルペジオで演奏してメロディとしてサウンドさせることが出来るということです。コードは、必ず同時に演奏しなくてはいけないわけではありません。ずらしたり、一部の音だけを演奏したり、様々な可能性があります。
音楽用語から自由に
コードの定義に縛られないでください。大事なのは常に音楽そのものをみていくことです。では次の記事では、コードを続けて演奏するとどんなことが起きるのか、ということを紹介します。
また!