Massiveの使い方連載、今回はフィルターの特徴を解説します。
Lowpass フィルター
一般的なローパスフィルターです。Lowpass 4 とLowpass 2がありますが、この違いLowpassフィルターのカーブにあります。Lowpass 4のほうがカーブが急です。Lowpass 4 は-24dB/octのカーブをもっていて、他のシンセではLowpass 24dBという表記が多いですね。Lowpass 2 は-12dB/octのカーブです。
?? dB/octというのは、1オクターブ上がると、??dB音が小さくなるようなカーブという意味です。ですから当然、??の数字が大きいほど急なカーブになります。
ちなみにpoleというのは、回路に使われている抵抗の数を表しており、この抵抗を多く使う回路ほど、カーブが急になる、つまり効き目が高くなるということだそうです。
4 poleと2 pole どちらを使うべきか
好きな方を使えばいいんですが、我らがminimoogは4 poleです。また prophet 5 もArp 2600 4 poleです。 Arp Odyssey はrev1は2 pole 、rev2 は4 poleとのことです。圧倒的に4 poleがいわゆるヴィンテージシンセに多いので、いわゆるシンセっぽい音は、4 poleが基本だと考えていいでしょう。
Highpass フィルター
同じく2 poleと4 pole があり、カーブが異なります。ハイパスフィルターは積極的に音を加工するというよりも、出過ぎている低音を削るために使用することが多いようです。具体的にはパッドやストリングスがあまりに太すぎる場合に少しかけたりします。
Bandpass フィルター
私の手書きの汚い図で申し訳ないですが、こういうフィルターです。真ん中だけ残ります。
Band-reject フィルター
私の手書きの図が続きますが、これは真ん中だけ凹むフィルターです。
Comb フィルター
Combフィルターには以下のパラメーターがあります。
- pitch
- damping
- feedback
Pitchは、このクシの中心が位置する周波数帯域を決定できるようです。またdampingとfeedbackに関してはあまりマニュアルにないので、正確に仕組みはわからないのですが、測定する限り、feedbackがこのフィルターのかかり具合、dampingが、クシの尖り具合、つまりQに相当すると予想されます。ですから、Feedbackを全く上げないと、他のパラメーターを行く上げても効果がありません。またdampingがゼロでも全く効果がありません。ですから、実際的にはdampingとfeedbackを両方共上げないと効果が確認できません。
ちなみに、feedbackとdampingを半分くらいに設定して、pitchを動かすと、フランジャーと同じ効果になるそうです。
Scream フィルター
説明書によれば、ローパスフィルターの一種でフィルターフィードバックを持つとあります。そしてダーティーでアナログなサウンドとのこと。
海外のティップスサイトでは、EDM的な荒れたサウンドを作るためによく推奨されています。確かにパラメーターのScreamを上げて、カットオフを移動させると、バリバリとした力強いサウンドになります。
通常のローパスフィルターでいま一歩パワーがない場合に試してみると有効です。
Draft フィルター
説明書には以下のように書かれています。
Daft:別のタイプのロー・パス・フィルターで、独特のサウンドです。このフィルターは、 モジュレーション・オシレータでフィルター周波数変調に非常に反応します。
フィルター周波数変調とは
詳細は今後また記事で紹介しますが、まずこの設定の方法を紹介します。
Filter Fm を「1」つまりフィルターの1にかけてください。こうすると、フィルターにLFOをかけたようなサウンドになります。
Draftフィルターは、この効果に対する反応がセンシティブなローパスフィルターということです。
Acid フィルター
説明書で一切触れられていませんが、一般的にクラブミュージックにおいてアシッドといえば、TB-303というモノシンセサイザーが使われているサウンドのことを指します。Hardfloorを聞いてください。1台以上のTB-303がうねるようなラインと、フィルターの開閉による、うねるようなサウンドが聞けます。恐らくこのTB-303を模倣したサウンドを持つフィルターということだと思います。
日本語wikiによれば、
もっとも、トランジスタを抵抗素子として機能させる梯子型4次ローパスフィルタは名機Moog(モーグ)で初めて採用された回路方式であり、Moog博士の特許(米国特許3,475,623)である。Rolandを含む後発メーカはこの特許を回避するため、本特許のトランジスタの主要機能(可変抵抗機能及びバッファ機能)のうち、バッファ機能を省くことで回避した※※。そのため、カットオフ特性がMOOGに対してブロード(緩くなる)特性とならざるを得なかった。
とありますので、通常の4 pole フィルターよりも、効きが甘いはずです。
MASSIVEの説明書読んでも
わからない部分がたくさんあったので
ここにたどり着きました。
いろいろ詳しく書いていて
勉強になります!ブログ頑張ってください!
ichさん
ありがとうございます〜