MaschineをVSTiとして使うのは、スタンドアローンで使うのよりも難しい
この記事は、MaschineをAbleton Live上でVSTiとして起動した場合に、どのようにしてlive側のMIDIクリップで、Maschineへアクセスするかということを説明しています。
MaschineとAbleton Liveを連携させるには、Maschine単体で作業するよりも技術的に難しく、またその方法は様々あるようですが、今回紹介するのはその中でも設定が少ないものです。しかしその分完全な連携とはいかないのがネックです。結果として、Maschine単体で作業する早さにはどうしても劣ります。
とはいえ全く連携せずにMaschine単体で作るのもあまり効率的ではありません。まずは今私がベストだと思う製作フローをご紹介します。より良い方法があればぜひ教えて下さい。
基本方針
- Maschineで大まかな作業を行い、ドラムも打ち込む。
- その後、Maschine→LiveへMIDIをドラッグで持っていく。
- LiveでMIDIクリップを再生すると、Maschineの狙ったグループが再生されるように設定する。
- Maschine側のシーケンスは空にし、二重になってしまわないようにする。
MIDIの書き出し設定
MaschineからLiveへMIDIをコピーするには、以下の写真が指定した場所をドラッグして、Liveに持って行けばよいのはみなさん知っていると思いますが、問題は、その時の形式です。これを設定します。
通常のドラムキットの場合
正確には、サウンド一つ一つに、別のドラムキットがアサインされているような場合のデータです。つまり、サウンド1つの中にいろんな音が入ってるような場合では、ありません。あくまでグループ全体を使うようなドラムキットの場合です。
まず任意のグループの上で右クリックをして、メニューを出し、以下のように「Sound to MIDI Notes」に設定してください。
次にドラッグして、Liveに持って行くと、内容がコピーされたMIDIクリップが作成されます。
AbletonからのMIDIチャンネル1の信号を、Maschinのグループが受けるように設定する
上記のように設定すると、LiveからのMIDIチャンネル1のMIDI信号を、このグループが受け取ることなります。つまり各グループ、別々のMIDIチャンネルの信号を受けるように設定しているわけです。ですから当然、各グループに別々のMIDIチャンネルをアサインしてください。
Ableton Live側の設定
次に先ほどMaschineからLiveに移したMIDIクリップを再生したときに、Maschineの狙ったグループにMIDIが届くように設定します。
MIDI to の、上段をMaschineにし、下段をMaschineの中の1番にします。これはMaschineの中のMIDIチャンネル1番に、Liveが送ったMIDI信号が行くということです。つまり先ほどMaschineで設定したグループにいくわけですね。
Maschine側のMIDIシーケンスは削除する
Live側のMIDIクリップでMaschineを動かす場合、Maschineのシーケンサーにはなにも無いようにしてください。何故なら、Maschineのシーケンスもなるし、LiveからのMIDI信号もなってしまうからです。
これでLiveのMIDIクリップを再生するとMaschineがなるようになった
これで完了です。基本的に、Maschineで大体リズムを組んでしまい、その後にLiveに移すというワークフローを取る場合にはこれで問題ないと思います。
サウンド1つに音階があるようなMIDIデータの場合
例えばサウンド一つにシンセがアサインされていて、そのサウンドの中に音階のMIDIデータが入っている場合です。これは先程のグループ全体を使ったドラムキットのような場合とは設定が異なります。
この場合は先ほどと違って、希望のサウンドのタブにしてから、ドラッグすれば、そのサウンドに含まれるMIDIノートだけがLiveにコピーされます。
Maschine側の設定
Maschine側でMIDIチャンネル2を受けるように以下のように設定してください。sourceをHostにするのもポイントです。これでホスト、つまりAbleton live側からの信号が、このサウンドに行きます。
この際、チャンネルは先ほど設定したドラムとは別にしなくてはいけませんし、当然この後に設定していくMIDIチャンネルとは別に設定してください。
まとめ
- ドラムの場合はSound to MIDI noteに。
- Maschineの受ける設定をする。
- Ableton Liveの出す設定をする。
以上の設定をした上で、基本的にMaschine内でドラムを打ち込みます。その後、AbletonにMIDIをドラッグしてコピーする、というワークフローをおすすめします。
ではまた!