マリオブラザーズのテーマを音楽理論で褒める


日本が誇るヴィデオゲーム「マリオブラザーズ」が30周年だそうです。おめでとうございます。ゲームの内容ももちろんですが、曲も素晴らしいものが多いですよね。ということで今回は、マリオブラザーズで一番有名な「地上面のテーマ」を音楽理論で絶賛すという企画です。

冒頭の印象的なフレーズ

マリオといえばこの「ミミッミッ!ドミッソ!」という印象的な冒頭のフレーズです。このフレーズに関して、開発陣は「マリオはやられては何度も繰り返すゲームなので、やり直したときに最初に聞くフレーズで、元気になって貰う必要がある」という趣旨のことをおっしゃっています。( http://www.nintendo.co.jp/wii/interview/svmj/vol1/index3.html )

確かに、この冒頭のフレーズは元気で、しかも一発で覚えてしまうキャッチーさがあり、聞いた瞬間に「マリオだ!」と誰もが反応してしまうことでしょう。このフレーズはシンプルに見えて、実はかなりテクニカルです。

D9→G7 ダブルドミナント

冒頭のコード進行はD9→G7 (もしくはシンプルにG) となっています。この曲のキーはCメジャーですから、基本的には白鍵だけで出来ている曲です。しかし冒頭のD9にはF#という黒鍵の音、つまり通常であればCメジャーキーには含まれない音が含まれています。なぜCメジャーキーの曲が突然黒鍵が含まれるコード、D9ではじまるのでしょうか。

このD9というコードは、ダブルドミナントと呼ばれる機能を持つコードです。このコードはドミナントコードであるG7に進む機能を持っています。そしてドミナントコードG7は、トニックコードCへと進みます。

このダブルドミナント→ドミナント→トニックというコード進行は、非常に力強い印象をあたえます。この力強いコード進行を冒頭に持ってくることで「ノコノコにぶつかったり、穴に落ちたり、パックンフラワーにぶつかってやられたマリオとプレイヤーを励ます効果がある」といえるのではないでしょうか。

C F G → C

さて、印象的な冒頭のフレーズがG7で終わった後、曲のメインの部分に進みます。この部分は明確にコードがなっているわけではありませんが、C F G→Cと進むコード進行だと考えられます。ちなみにコード、つまり和音がなっていない理由は、音楽的な理由ももちろんあるとは思いますが「ファミコンの同時発音数が3である」ということも大きいのではないでしょうか。

同時発音数に制限のあるファミコンにおいては、和音で同時発音数を消費するよりも「最低限の音数でサウンドを表現する」という技術を高める必要があった、とインタビューでもおっしゃっています。

ですので、全体を通して和音がなっている箇所は少ないのですが、もし和音があるとすれば、どんなコードになるか、ということを想定して考えています。

C F C G

この部分も、細かくコードをつけるとしたらこうなるのではないでしょうか。短い間にCFGを細かく移動していることがわかります。

ブルースのような半音 C F

実はマリオのテーマでは、白鍵以外の音が多用されています。この音は「ブルース」で多用される音です。動画の後半では、マリオで使われている半音を使ってC7 F 7というブルース進行に合わせてブルース的な演奏をしてみました。マリオのテーマとブルースで、全く同じ半音が使われていることがわかります。

実はマリオの生みの親、宮本さんはブルーグラスという、らんぼうにいえばブルースと似たジャンルの音楽が好きで、作曲者の近藤さんにも色々聞いてもらっていたようです。http://www.nintendo.co.jp/nom/0510/interv/ おそらくはマリオのテーマの陽気さと、ブルースのニュアンスは、ブルーグラスからきているのではないでしょうか。

Ab Bb C 「パラレルマイナーキーからの借用」

このセクションの最期の部分はAb Bb Cとコードが進行しています。このAbとBbは、CメジャーキーのパラレルマイナーキーであるCmから借りてきたコードです。

Ab C の繰り返し 「レラティブマイナーからの借用」

その後の少し印象がかわるセクションでは、またパラレルマイナーキーのCmから借りてきたコードAbが使われています。

C F G C

最期の部分はC F G Cと、非常にオーソドックスなコード進行です。ここでもブルース的な半音階が使われています。

まとめ

  • 冒頭の印象的なフレーズではダブルドミナント→ドミナントというテクニカルなコード進行になっている。
  • C F G CもしくはC F Cという基本的かつ力強いコード進行が全体を支配している。
  • ブルース的な半音が使われており、これは恐らくマリオの開発者の宮本さんが好きなブルーグラスに由来している。

ではまた!

 

 

 

 

 

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