「トラックメイカーには音楽理論を」/「楽器奏者にはDTMを」というのが、本サイトからの提案です。
トラックメイカーはDAWを使ってDTMで自分のイメージを音にするスキルに長けています。その具現化させるスキルに加えて、コードやスケールといった知識があれば、より自由に創作活動ができると思います。
楽器奏者は、楽譜の読み書き、作曲のスキルを持っている方が多いです。さらに、そのスキルを具現化するためのDTMの技術があれば、より一層プロモーションをすることができるようになります。
ということで今回はどちらかというと、楽器奏者の方がDTMをする方法の解説です。Logic Pro X というDAWソフトを使って楽譜を作成するシリーズの1記事です。
手書きで楽譜を作成すると、修正や変更が非常に大変です。ピアノの先生や吹奏楽部の先生が、何パートも手書きで楽譜を書かれているのをよく見ますが、手書きではなくパソコンでおこなうと、非常に早く綺麗な楽譜が作成できます。オススメします。本シリーズを最初から読んでいただければ、簡単な楽譜はすぐに作成できます。ぜひご覧ください。
動画
異名同音とは
楽譜において「同じ音」をいくつかの「別の方法」で表すことができます。例えば「Gb」は「F#」と表すこともできますし、「E##」と表すこともできます。このように、同じ音であるが表記方法が異なる音を「異名同音=エンハーモニック」といいます。
Logic Pro X で楽譜を作成する際に、異名同音を自分の希望する変化記号 (♯,♭) をともなって表記させたいはずです。例えば打ち込んでみたら「F#」と表示されてしまったが、本当は「Gb」と表示させたい。こういった場合に今回の調整が必要になります。
異名同音の設定
以下の手順になります。操作詳細は動画を御覧ください。
- 変化記号 (♯,♭) がついた音符をダブルクリック
- 異名同音タブをクリック
- 表示させたい変化記号を選択
変化記号の調整
変化記号のルールを再確認します。
- 一度ついた変化記号は、同小節内は有効。(例:Gにbを一度つけたら、同じ小節内にある他のGも、bの表記がないとしても、Gbとしてみなされます。)
- 変化記号はオクターブ違いの音には影響しない。(例えば真ん中のCに#をつけた場合、オクターブ上のCやオクターブ下のCには影響しません。)
- 一度変化記号をつけた音に、さらに同小節内で変化記号をつけても、効果が二重にかかるわけではありません。(例:Gにbをつけた後、さらに同小節内でGにbをつけた場合でも、これはあくまでGbです。もしGbbにしたい場合は、Gbbと表記しなくてはいけません。)
- 1と3に関係しますが、変化記号をつけた音が同小節内で再度現れる場合、明確に示すために、(b)とカッコ付き表記をしたり、再度「b」と表示してもよい。(つまり3つの選択肢があります。何もつけない、カッコ付きで示す、再度変化記号をつける、です。)
- スラーで小節をまたぐ場合、次の小節にも変化記号の効果が引き継がれる。
上記の4に関連した調整を行うことができます。以下の4つの選択肢があります。
- 自動 一般的な楽譜の記述方式。
- 強く 変化記号の効果がある場合は、すべてを表記します。
- 隠す 変化記号を表示させません。
- ガイド 変化記号の効果が与えられた音が二度以上現れる場合、カッコ付きで表示します。
私は「ガイド」をオススメします。楽譜を作成する側もチェックがしやすくなるからです。変化記号のつけ忘れ。よく起きますよね。それを防ぐことができます。
譜表の変更
動画の譜表は「大譜表」でスタートしています。大譜表とは2段になったもので、単譜表とは1段のものです。これを変更することができます。
設定方法
- リージョンタブ
- スタイルを「高音部」に変更
- 他にもスタイルが用意されています。希望のものに変更できます。
まとめ
今回おこなった作業を確認します。
- 異名同音の表記方法を調節する
- 変化記号の表記方法を調節する
- 譜表のスタイルを調節する
以上です。
繰り返しになりますが手書きで楽譜を作成するよりも、Logic Pro Xを使って楽譜を作成したほうが、早く綺麗に作ることができるので、お勧めです。もちろん、楽譜作成の専用ソフトを使用する選択肢もあります。楽譜作成専用ソフトは、より詳細に設定をすることができます。しかし、まずは20,000円と非常に安価なLogic Pro X から気軽にスタートするのも良いと思います。
ではまた!