ハモンドオルガンはブラックミュージックに多用されるポピュラーな楽器ですが、ピアノやエレピに比べると操作できる場所が多く、どう設定すれば良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。
実際、僕も今日まで仕組みはわからず、適当にドローバーをいじっていました。右になるほど高音が増えて派手になるなあ、とそれくらいです。
今回は色々調べてわかったことを、特に演奏する人のために書きます。歴史や工学的な仕組みついては他のWEBSITEを見てね!
まずハモンドオルガンを私は持っていないので、かわりに現在一番手軽に手に入って、かつポピュラーなハモンドクローンのノードエレクトロで説明していきます。ちなみに3です。
ノードエレクトロ3のオルガンの設定セクションはこんな感じになってます。たくさん操作できるところがありますね。
ざっくりいって5カ所操作できる場所があります。
- 上段と下段の設定を切り替えるスイッチ
- ドローバーのセッティング
- ロータリースピーカーのセッティング
- パーカッションのセッティング
- ビブラートとコーラスのセッティング
では①から見ていきましょう。
①上段と下段の設定を切り替えるスイッチ
オルガンは基本的に鍵盤が2段になってますよね。各段61鍵あります。で、上下で音色を変えることができます。なので上の鍵盤の音色を設定したい時は「UP」のほうに、下の音色を変えたい時は「LO」にしてください。(本物のハモンドオルガンはドローバーが2段分あります。ノードエレクトロはスペース節約のためにこのような切り替え式です)
②ドローバーのセッティング
オルガンの音色の肝はここ!ドローバーです。ドローバー、つまり引っ張る棒ですね。これを引っ張ると、音が足されます。ノードエレクトロではドローバーではなく、スイッチになっています。赤く光っているのが引っ張られたドローバーを表しています。

ハモンドオルガンのドローバー
さて②をみてください。「SUB」「 SUB3」「 FUND」「 2ND」…て書かれているのがわかりますか?これがつまり足される音の種類を表しています。
- 「FUND」基音。演奏している音がそのままなります。Cを弾いていたらC。
- 「SUB」これは基音の1オクターブ下の音を足します。Cを弾いていたらオクターブ下のC。
- 「SUB3」基音の1オクターブ下のCの第3倍音、つまり基音の5度上の音が足されます。Cを弾いていたら、その5度上のCです。
- 「2ND」基音の第2倍音がなります。Cを弾いていたらオクターブ上のCです。
- 「3RD」基音の第3倍音がなります。Cを弾いていたら、オクターブ上のGです。
- 「4TH」第4倍音。2オクターブ上のCです。
- 「5th」第5倍音。2オクターブ上のEです。
- 「6th」第6倍音。2オクターブ上のGです。
- 「8th」第8倍音。3オクターブ上のCです。
つまり倍音を足しています。足せば足すほど音は派手になります。
このセッティングには有名なものがいくつかあります。まずは2つ紹介します。
- ジミースミスタイプ 「88 8000 000」 こんな風にドローバーの左から引っぱり具合を書きます。つまり、この場合は左3本をマックス引っ張るわけですね。なぜ数字の間にスペースを入れるかというと、最初の二つは「FUND」より左にある2つを表しています。そして次の4つは「FUND」〜「4TH」を表しています。そしてまたスペースが入りますが、これは恐らく「5TH」が「E」という少し特殊な倍音がなる箇所なので、ここで区切っているのだと思います。ジミースミスタイプのドローバーセッティングはジャズの基本形です。
- マニュアルベースタイプ 「83 8000 000」 マニュアルベースというのは、ようは左手でベースを演奏するスタイルのことです。ジャズのオルガンプレイヤーは、左手でベースを演奏します。これはジミースミスからの伝統で、一般的にはこのスタイルです。ちなみに「3」の部分は0〜5の間で好みに合わせて変化させることが多いそうです。
他にも代表的なセッティングはたくさんあります。「Organ Drawber Setting」で検索するとたくさん出てくるので、真似してみてください。
③ロータリースピーカーのセッティング
ロータリースピーカーを早くまわすか、普通か、の2つを選べます。基本的に普通の方にしておいて、盛り上げるところで早くする!が基本です。ちなみにジミースミスは基本、ロータリースピーカーはスローの方にしています。
ちなみにノードエレクトロではこれをサスティンペダルに割り振れます。システム設定の6サスティンペダルモードで決めれます。
また、ロータリースピーカーを早くまわすにしても、すぐには早くならず、徐々に早くなります。これを利用して、コードを長く伸ばすプレイのときに、ロータリースピーカーを早く回し始めてトップになったら、またゆっくりに戻して、で戻りきったらまた早くして、というのを切り替える方法があります。こうするとサウンドに表情が付きます。
④パーカッションのセッティング
パーカッションとは、カコーンという音です。
これをオンするかオフにするかを選びます。上の鍵盤にしかかかりません。
またパーカッション音は「2ND」と「3RD」を選べます。「2ND」はオクターブ上の音が、「3RD」はオクターブ+5度上の音がなります。ノードエレクトロでは何も選択していなければ「2ND」の音が鳴っています。「3RD」のほうが少しコミカルな音がなります。ちなみにジミースミスは、「3rd」を基本的に選択しています。
次に、パーカッション音を、普通の音量かソフトな音量か選べます。ちなみに普通のほうにすると、パーカッションをオンにした瞬間にドローバーサウンドが少し小さくもなっています。ジミースミスはソフトの方です。
最後にパーカッションサウンドの長さです。「FAST」にすると、減衰が早くなります。つまり音が短くなります。スタッカートで弾くと分かりにくいですが、しっかり鍵盤を押したままにすると「FAST」と「SLOW」の違いがわかると思います。
⑤コーラス/ビブラートのセッティング
Cがコーラス、Vがビブラートを意味しています。後ろにつく数字は、かかり具合です。つまりコーラスの中ではC3が一番強くコーラスがかかるということです。
ジミースミスはC3をかけています。C3でも派手にはかからないので、基本的にかけっぱなしでいいようです。
ビブラートはかなりかかりますので、あまり使っている人は見たことがありません。
まとめ
オルガンのセッティングについて説明してきました。基本がわかると自分の出したいサウンドに近づけることが簡単に出来るようになりますね。それから、有名なセッティングは検索すれば出てきますので、自分が好きなアーティストやジャンルの代表的なセッティングを真似してみるといいと思います。
ではまた!
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