Ableton Liveでネイティブで動くMIDIコントローラーをRemotifyで作成する


Resident Adviserが2016年のエレクトロニックミュージック・ライブアクトのTop40を発表しましたが、1位は2015年も1位だった「KINK」でした。彼はAbleton LiveとMIDIコントローラー、それからTR-8等、いくつかのハードウェアを使ってライブをします。その中心的機材はAbleton Liveで、Novation Launchpadで録音するクリップを選択し、MIDIキーボードでMIDIを録音してVstを鳴らし、さらにエフェクトをかけます。

今回は、彼のようにAbletonを使ってライブパフォーマンスをする上で有効な、MIDIコントローラーの設定について解説します。特にAPC40mk2のように何の設定もせずともAbleton Liveに最適化さているコントローラー(=これをネイティブ対応のコントローラーと呼ぶことにします)と同様の挙動をさせるための設定です。

ネイティブ・コントローラーと普通のMIDIコントローラーは何が違うのか?

APC40MK2のように、何の設定しなくともAbleton Liveに最適化されたコントローラーをネイティブ・コントローラーと呼ぶことにしますが、ネイティブ・コントローラーと普通のMIDIコントローラーは何が違うのでしょうか。

まず大きな違いとして、ネイティブコントローラー使用時には、以下の画像のように、色付きの枠が表示されます。これは通常のMIDIコントローラー使用時には発生しません。

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またMIDIマッピングモードでアサインをしなくとも接続しただけで、クリップのラウンチや、ミキサーのコントロールが行なえます。

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非常に便利なネイティブコントローラーですが、これらはネイティブコントローラーだけの特権であって、通常のMIDIマッピングでは設定できないものです。

ネイティブコントローラーを自分で作ることは可能か?

非常に便利なネイティブコントローラーは、実はどんなMIDIコントローラーであっても設定をすることで同等の挙動を実装することが可能です。

また、既存のネイティブコントローラーの設定ファイルも、以下のフォルダに揃っています。この中にpyc拡張子のファイルがありますが、これらがネイティブコントローラーの設定ファイルです。これはPythonというプログラム言語のソースのバイトコンパイルされたもので、デコンパイルして中を見れば、abletonコントローラーの設定ファイルであることがよくわかります。

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つまりネイティブコントローラーを作るためには、設定ファイルをPythonで書いてあげればいい、ということになります。

Pythonが書けないと、ネイティブコントローラーは作成できないのか?

結論からいえばRemotifyというサービスを使えば、Pythonを習得する必要なしに、ネイティブコントローラーを作成することができます。

(ちなみにこの設定ファイルはAbleton Live MIDI Remote Scriptsというもので、JULIEN BAYLE氏のサイトで解明が勧められています。Abletonはこのスクリプトについては、開発者以外には公開していないようで、リバースハックを氏が独自におこなっています。)

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Remotify」は一部機能を無料で使用することができるブラウザベースのアプリケーションです。

Remotifyの使い方

Remotify」は一部機能を無料で使用することができるブラウザベースのアプリケーションなのでインストールは必要ありません。アカウントを登録したあと「App」から実行していきます。

Script Name:この設定ファイル全体の名前です。必ず付ける必要があります。またここで設定した名前がフォルダ名になります。

Add a New Mapping:コントローラーへのアサインをしていきます。詳細は次ページでおこないます。

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次に、どのような機能を設定するか選びます。今回はMixerからVolumeをアサインすることにします。

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名前をつけて、トラックタイプ = specificにすると特定のトラックのボリュームを変更できるようになります。例えば画像のようにtrac type:specific,track number:1にすると、トラック1のボリュームの変更をアサインできます。その後、MIDI learnをクリックした後、接続したMIDIコントローラーのつまみ等を動かすことで、アサインされます。

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最後にDownload Scriptをクリックして設定ファイルをダウンロードします。

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先程ダウンロードしたフォルダをMIDI Remote Scriptsフォルダに配置します。

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するとこのように「コントロールサーフェス」の中に先程配置したフォルダ名と同じものが見つかるはずです。これを選択しましょう。

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そして「入力」と「出力」に、設定で使用したMIDIコントローラーを設定します。

すると、設定したとおりにライブをコントロールできます。

仕組み

Remotifyで作成したAbleton Live MIDI Remote Scripts (Pythonスクリプト)をAbleton Liveの設定画面の「コントローラーサーフェス」から読み込み、INとOUTにMIDIコントローラーをアサインすると、AbletonライブはそのコントローラーからMIDI情報を受け取り、Ableton Live MIDI Remote Scriptsに書かれた挙動を実行します。その後、Ableton LiveからMIDIコントローラーにMIDI情報を送ります。これによってパッドが点滅したり、インジケーターの点滅がコントロールされます。(ただしこのコントローラーが受け取るMIDI情報に関してはRemotifyでは詳細が設定できないため、コントローラーによっては上手く反応しません。Pythonでは設定できます。)

まとめ

今回はAbleton専用コントローラーと同様に動作するMIDIコントローラーを、Remotifyを使って作成しました。次回は、実際にエレクトロニック・ミュージックのライブをAbleton Liveでおこなうためにベストな設定を紹介したいと思います。

ではまた!

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